現在のアメリカ陸軍マニュアル(FM 3-25.150 Commercial)には、ブラジルの柔術も取り入れています。現代戦においては白兵戦は過去ほど重要視されていませんが、知ってるだけでもいざというときに役立つナレッジがいっぱいです!是非一緒に学んでいきましょう。
格闘技には相手との間に有効レンジが存在します。一番遠くても攻撃できるキッキングレンジ。その次にボクシングレンジ、そして次にニーやエルボーの当たる距離のトラッピングレンジ。最後にグラッピングレンジ(寝技)があります。この中で1つスポーツ化されないレンジが存在します。それがトラッピングレンジです。ニーやエルボーは鍛えてようと鍛えてなかろうと相手に非常に大きなダメージを与えてしまいます。スポーツには適してないこのレンジは、逆にストリートファイトや戦闘時に勝敗を決めてしまう重要なレンジとなっています。このコーナーでは鍛えなくても知識だけでパンチ力を強くする方法から、トラッピングレンジまでのもっていき方、攻撃の仕方(ドローイングなど)哲学的楽しくまた簡単に学んでいけるコーナーにしていきたいと思います。
第1弾パンチ力がパワーアップ!
ストライキングの基本
第1回目は攻防の両面で利用できる基本ともなる当技。ストレートリードパンチの打ち方を紹介します。ストレートリードパンチはあらゆるパンチの中でもっとも迅速で命中率も高い攻撃方法です。
右構えの場合は右手、左構えの場合は左手が武器となります。
スタンスですが、両足を肩幅と同じ広さに開きます。つまさきは両方とも斜め前。前方の肩が足の外側よりはみださない。(下イラスト参照)体重は体の中心に。こぶしは卵を握っているような状態に保ちます。腕にチカラが入っていると早いパンチは打てないからです。また拳法のように腰の位置から打ち出すようなこともしません。拳から目標までの距離が長く相手にパリー(防御)させる時間を与えてしまうからです。肩からでもなく前方に構えた位置から放ちます。そうすることによって距離が短くなるので相手に防御の時間を与えなくします。
ストレートリードパンチを打つ手順
①まず少し曲げた後ろ足で思いっきり床を蹴り足を伸ばします。
②その動力を腰の回転軸に変えると、その勢いで右肩が前に、
③同時に曲げていたひじが伸び、拳が前に突き出ます。
このとき重要なのは右足です。すり足状態で浮かせたままにしておくことが重要なポイントです。拳がヒットしてから右足は完全に着地させます。前方に流れはじめた大きなエネルギーが右足を伝わって逃げていくからです。前足が浮いた状態だとこの一連の動きで発生したパワーはすべて拳を通し相手にあたえるできるのです。
パンチを繰り出した後は姿勢を元に即座に戻すことが必要です。またその瞬間でも腕を下げないように注意しましょう。
このストレートリードパンチは相手との距離が短くよける時間を与えません。鞭や濡れ雑巾でたたく原理なのでスピードも威力もあります。よく知られている呼び方でワンインチパンチとも言われています。利き腕を前方の拳にすると良いでしょう。エコノミーラインの距離が長く、パリー(防御)されやすいリアクロス用に利き腕をするよりも実践的です。
どのパンチにもいえることですが、相手に読まれるような攻撃の準備をしてはいけません。.
※これらは現在アメリカ海軍にて徒手格闘技の技法として使われている一部です。
BRUCE LEEのすばやく力強いストレートリードパンチは
この原理に基づいています。動画を参考にしてこのパンチの有効性を深く理解しましょう